韓国ではなぜ茶碗を持たない?日本で気づいた食事マナーの違い

韓国では、食事中にご飯茶碗を食卓に置き、スプーンや箸を使うのが一般的です。日本でご飯茶碗を手に持って食べる姿を見たとき、私はその違いに戸惑いました。ソウル公式観光情報の食事マナー案内でも、ご飯茶碗はテーブルに置くと説明されています。

子どものころ、私の家ではご飯茶碗を食卓に置いたまま食べるのが当たり前でした。茶碗を持ち上げると、大人に注意されることもありました。

日本で食事をしたときには、茶碗を片手に持ち、箸でご飯を食べる姿を見かけました。韓国で教わった作法とは反対で、初めのうちは少し戸惑いました。

韓国ではしなかったことを日本ではする。最初はかなり違和感がありました。でも、暮らす国の文化に合わせたいと思いました。そこで、私も意識して茶碗を持つようにしました。

些細な違いに見えても、初めのうちはどうしても気になります。ずっと置いて食べてきた茶碗を、手に持ち続ける。すると、食事の姿勢そのものがいつもと違って感じられたのです。

今では、日本で食事をすると自然に茶碗を持ちます。ただ、当時はふとこんな疑問が浮かびました。

そういえば、韓国ではなぜ茶碗を持たないのだろう?

目次
  1. 韓国で茶碗を持たない食べ方が定着した背景
  2. 茶碗を持たない食べ方とスプーンの役割
  3. 韓国で使うご飯茶碗も少し違う
  4. 子どものころ、茶碗を持って注意された記憶
  5. 家庭や世代によって異なる茶碗の扱い
  6. まとめ

韓国で茶碗を持たない食べ方が定着した背景

韓国でご飯茶碗や汁物の器を手に持たずに食べるスタイルは、昔から続いてきた食事の習慣です。

伝統的な韓国の食卓では、ご飯や汁物、おかずを膳に並べ、器を置いたままスプーンと箸を使って食べてきました。食事の姿勢や器の扱いは、家庭の中で教わる作法の一つでもありました。私も茶碗を持たないよう注意された記憶がありますが、この習慣の歴史を儒教だけで説明することはできません。

現在の食べ方には、作法だけでなく食具の使い方も関係しています。韓国ではご飯や汁物にスプーンを使うため、器を手に持たなくても食べやすい形になっています。ただし、スプーンだけを習慣の起源とするのではなく、食事作法や器の使い方が重なって定着したと考えるのが自然です。

今の感覚では、少し厳しく聞こえるかもしれません。ただ、かつては食事の姿勢や動作も、家庭で教わる作法の一つでした。ご飯と汁物は膳の上に置いたまま食べることが、ごく自然な食べ方として定着していったのだと思います。

茶碗を持たない食べ方とスプーンの役割

韓国と日本では、ご飯を食べるときに使う食器にも違いがあります。

日本ではご飯を主に箸で食べるので、茶碗を手に持って口元に近づけると食べやすくなります。韓国ではご飯や汁物をスプーンで食べる習慣があるため、茶碗を持ち上げなくても食べやすいのです。

韓国の食卓でスプーンと箸が一緒に並ぶのも、こうした食べ方とつながっています。ご飯や汁物にはスプーン、おかずには箸を使うことが多く、器を口元まで持ち上げる必要があまりありません。食堂で食卓に並ぶおかずの文化については、韓国のパンチャン文化の記事でも紹介しています。

私も子どものころから、この食べ方でした。そのため、韓国では「なぜ茶碗を持たないのか」と考えたこともありませんでした。茶碗は食卓に置いて食べるもの。それくらい当たり前の感覚でした。

韓国で使うご飯茶碗も少し違う

器そのものにも、日本との違いがあります。

韓国では陶磁器だけでなく、真鍮などの金属製の食器も昔から使われてきました。今でも韓国の食堂ではステンレス製のご飯茶碗をよく見かけます。熱いご飯が入っていると器自体も熱くなり、汁物の器はさらに持ちにくいことがあります。

こうした器なら、わざわざ手に持つより、食卓に置いたままスプーンで食べるほうが楽です。

もちろん、「器が重い、あるいは熱いから韓国人は茶碗を持たなくなった」と一つの理由だけで説明するのは難しいでしょう。もともと器を膳に置く作法があり、ご飯や汁物にはスプーンを使っていました。さらに、食器も手に持ちやすいものばかりではありませんでした。

一つの理由というより、こうした要素が長い時間の中で重なってきた、と考えるほうが自然です。

子どものころ、茶碗を持って注意された記憶

私が子どものころにも、茶碗を持って食べる姿をよく思わない雰囲気は残っていました。

実際、茶碗を持つと、大人から注意された記憶があります。「乞食みたいに茶碗を持って食べるな」という趣旨の言葉でした。今聞くと、かなりきつい言い方です。ただ、当時は茶碗を持たないよう教えるために、この表現を使う大人もいました。

もちろん、特定の人の食べ方を実際に指していたわけではありません。茶碗を持つ姿は行儀がよくない、という意味合いでした。

そんな言葉を聞きながら育ったので、茶碗を手に持つこと自体に違和感があったのも当然だったのかもしれません。だからこそ、日本に初めて来たときは余計に不思議に感じました。

韓国では「しないように」と教わったことが、日本ではむしろ自然な食事マナーだったからです。

家庭や世代によって異なる茶碗の扱い

私が接する家庭では、昔ほど厳しく注意しない場面もあります。ただし、家庭や世代によって作法の受け止め方は異なります。

家庭によっては、残った汁を飲むときに器を持つこともあります。また、カップご飯など、最初から手に持って食べるものもあります。子どもへの教え方は家庭ごとに違うため、茶碗を持つかどうかだけで行儀を一律に判断するものではありません。

韓国にいたころはあまりにも当たり前で、特別に考えたことはありませんでした。それが日本に来て茶碗を持って食べるようになり、逆に「私たちはなぜ持たないんだろう」と初めて考えるようになりました。

まとめ

振り返ってみると、韓国では昔から膳の上に器を置いて食べ、ご飯や汁物にはスプーンを使ってきました。茶碗を持たない食べ方には、食具や器の特徴、家庭で教わる作法など、いくつもの背景が重なっています。

旅行中の普通の食堂では、器を置いてスプーンを使えば食べやすいと思います。熱い金属の器を無理に持たず、自分や周りが食事をしやすい姿勢で楽しんでください。

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