韓国人が日本語を覚えやすい理由|語順・似た単語と難しかったこと
韓国語を母語とする人が日本語を学びやすいと感じる理由の一つは、語順が似ていて、発音の近い単語もあることです。ただし、韓国人なら誰でも日本語が簡単に身につく、というわけではありません。
私が日本語を本格的に勉強し始めたのは、日本で働くためでした。来日前に約8か月勉強しましたが、特に助けられたのは語順と漢字に由来する単語です。一方、今でも苦手なことがあります。それは漢字を手で書くことです。
韓国語と日本語は語順がよく似ている
日本語が覚えやすいと感じた一番の理由は、文を作るときの言葉の順番です。例えば、次の二つの文を比べてみてください。
韓国語:나는 사과를 먹는다.(発音の目安:ナヌン サグァルル モンヌンダ)
日本語:私はリンゴを食べる。
どちらも「私 → リンゴ → 食べる」という順番で、動詞が文の最後に来ます。韓国語で考えた文を日本語にするときも、単語を大きく並べ替えずに済むことが多く、勉強を始めた頃は楽に感じました。

助詞を使うところも似ています。韓国語には「은/는(ウン/ヌン)」「이/가(イ/ガ)」「을/를(ウル/ルル)」があり、日本語の「は」「が」「を」に近い働きをします。
ただし、助詞がいつも一対一で対応するわけではありません。日本語では「友達に会う」と言いますが、韓国語では「친구를 만나다(チングルル マンナダ)」のように、目的語を表す助詞を使います。語順は似ていても、そのまま置き換えられない部分があるのです。
こうした共通点と違いは、国立国語研究所の公開資料「韓国語と日本語、どこが似ている、どこが違う」でも取り上げられています。なお、文の形が似ていることだけで、二つの言語の起源が同じだと断定できるわけではありません。
発音が似ている漢字語は覚えるときの手掛かりになる
日本語の勉強を続けていると、韓国語と音が似ている言葉にも気づきました。両方の言語に、漢字に由来する「漢字語」があるためです。例えば、次のような単語があります。
| 韓国語 | 読み方の目安 | 日本語 |
|---|---|---|
| 약속 | ヤクソク | 約束(やくそく) |
| 기분 | キブン | 気分(きぶん) |
| 간단 | カンダン | 簡単(かんたん) |
| 무리 | ムリ | 無理(むり) |
韓国語と日本語の発音は完全に同じではなく、表のカタカナもおおよその目安です。それでも、初めて聞いた単語の意味を「たぶん、あの言葉だな」と推測できることがありました。
ただし、音や漢字が似ていても、意味や使い方まで同じとは限りません。例えば、韓国語の「애인(エイン)」は漢字で書くと「愛人」ですが、普通は「恋人」の意味です。一方、日本語の「愛人」は主に婚外の交際相手を指します。三省堂の解説でも紹介されているように、似た言葉ほど意味を確かめることが大切です。
漢字は読めても、書くのは今でも難しい
漢字語を知っていると単語の意味をつかむ助けになりますが、日本語の漢字を覚えるのは別の話でした。一つの漢字に音読みと訓読みがあり、読み方がいくつもあることにも戸惑いました。
日本に住んで約20年になりますが、今でも漢字を手で書くのは得意ではありません。見れば意味が分かるのに、いざ紙に書こうとすると出てこない字がたくさんあります。
仕事でパソコンを使うことが多く、手書きをする機会が少なかったことも影響しているのかもしれません。スマートフォンなら変換できますが、書くとなるとそうはいきません。
「日本語で一番苦手なことは?」と聞かれたら、今でも漢字を書くことと答えると思います。韓国で漢字を見かける機会が少なくなった背景については、韓国で漢字があまり使われなくなった理由でも紹介しています。
日本人が韓国語を勉強するときも同じ?
私が日本語を学んだときと同じように、日本語を母語とする人も、韓国語の語順には親しみを感じるかもしれません。短い文を日韓で比べると、共通点が分かりやすくなります。
一方、韓国語にはハングルの読み書きやパッチム(音節の最後に来る子音)、日本語にはない発音など、独自の難しさがあります。似ているところを出発点にしながら、違うところも一つずつ覚えていくのがよさそうです。
まとめ
日本語を学び始めた頃、私は語順と漢字語の共通点に助けられました。ただ、覚えやすいと感じることと、自然に使いこなせることは同じではありません。
韓国語と日本語の似ている部分を手掛かりにしながら、それぞれの言語ならではの表現を知っていく。そこが、二つの言語を学ぶ面白さでもあると思います。
