韓国には毎月家賃を払わない「チョンセ」という賃貸制度がある

韓国の「チョンセ(전세)」は、入居時に高額な保証金を預ける代わりに、毎月の家賃を払わない賃貸方式です。ただし、管理費や借入利息は別なので、「住居費がかからない制度」ではありません。

私にはなじみのある制度ですが、日本の賃貸契約に慣れた人には、仕組みが分かりにくいかもしれません。

では、いったいどのような制度なのでしょうか。

目次
  1. 韓国の「チョンセ」とは?
  2. なぜ家賃を払わなくてもいいのか?
  3. チョンセには注意すべき点もある
  4. 日本とは違う韓国の賃貸事情

韓国の「チョンセ」とは?

チョンセでは、入居時にまとまった保証金を大家に預けます。その代わり、毎月の家賃は払いません。

日本の賃貸でも、敷金を預けることがあります。こちらは主に、家賃の未払いや借り手の責任で生じた傷の修繕費に備えるお金です。

一方、チョンセの保証金は敷金よりもはるかに高額です。物件によっては、日本円で数千万円相当になることもあります。

契約期間は一般的に2年間で、契約が終わると預けた保証金は原則として返してもらえます。

仕組みを単純化すると、契約時に大きな保証金を預け、契約終了時に返還を受ける形です。保証金の額は物件や地域で異なり、返還が契約どおりに行われないリスクもあります。

ただし、電気代やガス代、管理費などは別にかかります。また、保証金を用意するために銀行のローンを利用した場合は、利息も支払わなければなりません。

制度の概要は、ソウル市の住宅案内でも紹介されています。

なぜ家賃を払わなくてもいいのか?

毎月家賃を受け取らずに部屋を貸して、大家にはどんなメリットがあるのでしょうか。

その理由は、入居者から預かった高額な保証金を資金として活用できるからです。

例えば、銀行に預けて利息を得たり、別の不動産を購入する資金に使ったりすることがあります。

以前の韓国では、銀行の預金金利が高い時期がありました。その頃は、保証金を預けて得られる利息も大家のメリットでした。

つまり、入居者は毎月の家賃を払わずに住むことができ、大家はまとまったお金を活用できるというわけです。

もちろん、預かった保証金は大家のものになるわけではありません。契約が終了すれば、原則として入居者に返さなければなりません。

チョンセには注意すべき点もある

毎月の家賃がかからないチョンセですが、メリットばかりではありません。

まず、入居する際に高額な保証金を用意しなければならず、銀行からお金を借りる人もいます。

また、特に注意したいのが、預けた保証金が返ってこないリスクです。

大家の資金繰りが悪化し、契約後も保証金が戻らないケースがあります。不動産価格の下落が影響することもあります。こうした問題は韓国でも社会問題になっています。

そのリスクに備える制度が「チョンセ保証金返還保証」です。住宅都市保証公社(HUG)などが提供しています。ただし、利用には一定の条件があります。

返還を支援する制度として、韓国住宅都市保証公社(HUG)のチョンセ保証金返還保証があります。対象となる条件があるため、契約前に最新の要件を確認する必要があります。

日本とは違う韓国の賃貸事情

チョンセは韓国で長く利用されてきた制度ですが、高額な保証金を預けることには負担やリスクもあります。

私にはなじみのある制度ですが、日本の敷金と同じ感覚で考えると、預ける額の大きさを見落としてしまいます。月々の家賃だけでは、負担を比べられないと思います。保証金を動かせないことや、返還されないリスクも大切な判断材料です。

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