韓国の恋愛でなぜ「100日」を祝う?100日記念日の由来と意外な文化
韓国の恋愛では、付き合って100日目を記念日にすることがあります。ケーキや食事で祝う人もいますが、全員が盛大に祝う決まりではありません。
日本なら「3か月」「半年」「1周年」と数えるほうがなじみ深いでしょう。一方、韓国では100日も節目として知られています。
なぜ韓国の恋愛では100日が特別なのでしょうか。背景をたどると、恋愛よりずっと前から韓国にあった「百日(백일/ペギル)」という節目が見えてきます。
目次
韓国カップルの「100日」は、最初の大きな節目のひとつ
韓国語で100日は「백일(ペギル)」といいます。
恋人同士では、付き合い始めた日から日数を数え、100日目を記念日にすることがあります。その先も200日、300日、500日、1000日と数えるカップルもいます。
もちろん、全員が毎回盛大に祝うわけではありません。少し特別なデートをしたり、ケーキを買ったり、プレゼントを交換したり。「もう100日だね」とメッセージを送り合うだけのカップルもいます。
つまり、韓国人カップル全員に課された“恋愛の必修科目”ではありません。それでも「付き合って100日」と聞けば、恋愛の記念日だとすぐ分かるくらいには知られている文化です。駐日韓国大使館 韓国文化院でも「韓国ではなぜカップルが100日をお祝いするの?」というテーマが韓国文化として紹介されています。
でも、なぜ3か月ではなく「100日」なの?
100日は約3か月と少し。ただし、「交際3か月を過ぎると関係が安定するから」という説明も見かけます。その説に、はっきりした歴史的根拠があるわけではありません。
100日という数字が韓国でなぜ特別なのかを考えるとき、重要なのが昔からある赤ちゃんの「百日祝い」です。
恋愛よりずっと前からあった、赤ちゃんの「百日」
韓国には、赤ちゃんが生まれて100日を迎えたことを祝う「百日(백일)」という風習があります。
韓国民俗大百科事典の「百日」によると、20世紀初めごろまで乳児死亡率が高く、生後100日を迎えることは家族にとって大きな節目でした。無事にその日を迎えた喜びを、家族や近隣の人々と分かち合ったとされています。こうした背景を知ると、韓国で「100日」が祝いの区切りとして親しまれてきたことにも納得できます。
赤ちゃんの百日と恋愛の100日は、同じ数字でも異なる祝いです。駐日韓国文化院の講座でも恋愛の100日が取り上げられていますが、両者をそのまま同じ儀礼と考えないようにしましょう。
現代の恋愛における100日も、こうした百日文化を背景に広がったものとして説明されることがあります。ただし、百日祝いから恋愛の記念日へと変わった経路は確認できません。何年に広まったのかを特定する資料も見つかりませんでした。
韓国では誕生日にわかめスープを食べる文化も、出産や家族の記憶と深く関係しています。気になる方は韓国ではなぜ誕生日にわかめスープを食べるの?もあわせて読むと、韓国で誕生や成長の節目がどのように捉えられてきたのかが見えてきます。
スマホ時代は「今日で何日目?」がすぐ分かる
付き合い始めた日を記念日アプリやD-Day機能に登録しておけば、今日が交際何日目なのかを簡単に確認できます。100日、200日、300日……と数える文化と相性のいい機能です。
ただし、スマートフォンやSNSが100日記念日そのものを生み出したわけではありません。もともとあった記念日の数え方を、より身近にした存在と考えるのが自然です。
高校時代には「100日だから100ウォン」も
私が韓国で高校生だったころも、100日記念日は身近でした。友達が恋人と100日を迎えると、周りが「100日だから」と100ウォン硬貨を渡すこともありました。
もちろん、これは韓国中の高校生が必ずやる正式な習慣ではありません。友達同士の冗談に近いものです。それでも「100日」と聞いただけで周りの友達まで反応するくらい、当時の学生にとって100日記念日は身近な存在でした。
100日には何をする?韓国ドラマほど大げさではない
100日の過ごし方に決まりはありません。たとえば、普段より雰囲気のいい店での食事や、小さなケーキ、花の贈り物。写真を残すなど、過ごし方はカップルによってさまざまです。
私なら、贈り物の金額より、2人が同じ日を100日目と数えているか、どんなふうに過ごしたいかを先に確かめます。交際開始日を1日目とするか、経過日数を表示するかでも変わります。そのため、アプリの表示方法によっては1日ずれることもあります。2人で数え方をそろえておくと安心です。
日韓の恋愛観そのものが気になるなら、韓国人男性と日本人女性の恋愛意識を調べた記事も参考になります。
今の韓国人カップルも全員100日を祝う?
いいえ。「韓国では全員が100日を盛大に祝う」と考えるのは少し違います。記念日を細かく祝うのが好きな人もいれば、「100日より1周年だけでいい」という人もいます。
100日記念日は法律でも伝統儀礼でもなく、現代の恋愛文化のひとつ。それでも「100日」という言葉だけで特別な意味が伝わるところが、この文化の面白いところです。
恋人同士の会話によく登場する「オッパ」の意味も気になる方は、韓国語「オッパ」の意味と使い方で詳しく紹介しています。
まとめ
韓国の恋愛で100日を祝う文化はよく知られていますが、「誰が最初に始めたのか」という明確な答えは分かっていません。
一方、韓国には昔から赤ちゃんの生後100日を祝う百日という風習があります。文化の中には、「100日を節目として祝う」という感覚があります。それが現代の恋愛にも重なると考えると、特別な数字である理由が見えやすくなります。
