韓国人はなぜ銭湯であかすりをする?その習慣はいつから始まった?
韓国のあかすりの始まりを、一つの年に決めるのは難しいところです。浴場の歴史と、1967年に開発されたイテリタオルの歴史は別だからです。私が銭湯で親しんだ習慣を、資料と当時の記憶に分けて振り返ります。
韓国に住んでいた頃は、少なくとも2週間に一度くらいは銭湯に行っていました。湯船でしっかり体を温めてから、あかすりタオルで体をこする。これがいつの間にか当たり前になっていました。
あかすりをした後は、肌がつるつるになったような気がしますし、何よりあのさっぱりした感じが好きでした。
ただ、日本の銭湯で一人であかすりをするのは、周りの人の迷惑になりそうな気がして、今回はやめておきました(笑)。
日本で暮らしていると、韓国では当たり前だった「あかすり文化」をあらためて意識することがあります。
久しぶりに日本の銭湯へ行こうとしたとき、そんな韓国での習慣を思い出しました。
韓国では、いつ頃からこんなふうにあかすりをするようになったのでしょうか。
韓国のあかすりは昔からある文化?
私にとって、あかすりはかなり身近なものでした。
私も子どもの頃から、銭湯に行けばあかすりをするのが普通だと思っていました。
なので、もっと昔から続いている習慣なのかなと思っていたのですが、調べてみると少し違いました。
体を洗う習慣と、イテリタオルを使う現在のあかすり文化は、分けて考える必要があります。
ソウル記録院の資料では、ソウルに1900年代初めから浴場の広告があったことや、1930年代に大衆浴場が登場したことが紹介されています。ただ、初期の浴場の姿や利用のされ方は、私が子どもの頃に通った銭湯とは違っていました。
韓国のあかすりに欠かせない「イテリタオル」
韓国のあかすりといえば、やはり「イテリタオル(이태리타월)」です。

緑や黄色の小さなタオルで、手にはめたり手で持ったりして、体をこすって垢を落とすために使います。
韓国ではとても身近なもので、私も子どもの頃から当たり前のように使っていました。
名前だけ聞くとイタリアの商品みたいですが、実際には韓国で作られたものです。
韓国政府による発明品の紹介では、1967年に作られ、イタリアから輸入した生地を使ったことから「イテリタオル」と呼ばれたと説明されています。
イテリタオルは、私が銭湯であかすりをするときに使っていた道具です。これがあかすり文化を広げた理由だとまでは言い切れませんが、手軽に使えるタオルが身近にあったことは、私の習慣を支えていたように思います。
私にとっても、銭湯へ行く時にイテリタオルを持っていくのはごく普通のことでした。
あかすりをしてくれる専門の人も登場
私が韓国で銭湯に通っていた頃には、あかすりを専門にしている人にお願いすることもできました。専門職がいつ最初に登場したかについては、今回確認した資料だけでは特定できません。
今では韓国語で「セシンサ(세신사)」と呼びますが、昔は「あかすりのおじさん」「あかすりのおばさん」のように呼ぶこともありました。
もちろん、お願いすると入浴料とは別に料金がかかります。
そのため、私はほとんど自分でやっていました。周りを見ても、自分であかすりをしている人は多かったです。
自分では手が届きにくい背中は、家族同士でこすり合うこともありました。
こういう光景も、当時の私にはごく普通のものでした。
なぜ韓国ではあかすりが広まった?
広まった背景には、銭湯の増加とイテリタオルの登場があったと思います。
銭湯へ行く人が増え、そこに簡単に垢を落とせる道具まで登場したわけです。
私には、目に見えて垢が落ちることが、さっぱりした実感につながっていました。これは当時の私の感覚で、肌への効果を示すものではありません。
私も韓国にいた頃は、銭湯であかすりをするのが習慣でした。せずに帰ると、何か一つ忘れたような気分になりました。
そうやって少しずつ、あかすりが日常の習慣になっていったのかもしれません。
韓国のあかすりはいつから広まった?
資料から確認できる浴場や道具の歴史と、私自身が覚えている銭湯の風景を整理してみます。
ソウル記録院の資料では、大衆浴場の歴史を確認できます。一方、政府の政策ブリーフィングは道具の歴史を紹介しています。それによると、イテリタオルは1967年に韓一織物で開発されました。浴場の歴史と、あかすりに使う道具の歴史は、同じ時期に始まったわけではありません。
そのため「あかすり文化は何年に始まった」と一つの年にまとめるのは難しいところです。私の暮らしには、銭湯もイテリタオルも身近にありました。その中で自然に続けていたのが、あかすりでした。
でも、日本で長く暮らしていると、こうした習慣も韓国ならではの文化の一つだったんだなと感じることがあります。
次に韓国の銭湯を訪れる機会があれば、懐かしい習慣を思い出しそうです。ただし、どの施設でも自由にできるとは限りません。日本でも韓国でも、先に利用ルールを確かめたいと思います。
