韓国の引っ越し祝い文化とトイレットペーパー・洗剤に込められた意味
韓国の引っ越し祝いでは、トイレットペーパーや洗剤が定番の贈り物です。紙がほどける様子には、物事がうまく進むようにという願いを重ねます。一方、洗剤の泡には暮らしが豊かになるようにという願いがあります。
せっかくなら、役に立つものを持っていきたいと思います。そこで、「何か必要なものある? 買っていくよ」と聞いてみても、「何もいらないよ。手ぶらで来て」と言われることも少なくありません。
そんなとき、私がよく選ぶのがトイレットペーパーや洗剤です。
日本の友人には「引っ越し祝いにトイレットペーパー?」と少し意外に思われることもあります。でも韓国では、どちらも引っ越し祝いの定番としてよく知られています。
韓国に住んでいた頃から、身近な贈り物でした。そのため、日本でも友人の新居を訪ねるときに、自然と選ぶようになりました。
韓国の「집들이(チプトゥリ)」とは?
韓国では、引っ越したあとに家族や友人などを新居に招くことを「집들이(チプトゥリ)」と呼びます。
新しい家を見てもらったり、一緒に食事をしたりして過ごすもので、招かれた側がちょっとした手土産を持っていくこともあります。
その定番としてよく知られているのが、トイレットペーパーと洗剤です。
どちらも毎日の生活で使うものですが、便利だから選ばれているだけではありません。新しい生活がうまくいってほしい、という縁起のいい意味もあります。
韓国の国立国語院が公開している韓国語教材では、引っ越し祝いにトイレットペーパーや洗剤を贈る習慣と、それぞれに重ねられる願いが紹介されています。
トイレットペーパーは「物事がうまくいくように」
トイレットペーパーは、紙がするするとほどけていきます。そこに、新しい生活や仕事もうまくいってほしいという願いを重ねて贈ります。
引っ越したばかりの時期は、家具や家電だけでなく、細かな日用品もいろいろ必要になります。
トイレットペーパーは日常で使える贈り物ですが、紙の肌触りや香りの好み、収納場所には違いがあります。持っていく量まで含めて、相手が受け取りやすいものを選びたいところです。
普段は何気なく使っているものでも、こうした意味を知ると少し見え方が変わります。
洗剤には「豊かに暮らせますように」という意味も
もう一つの定番が洗剤です。
洗剤の泡がたくさん立つ様子には、財産や暮らしが豊かになるようにという願いを重ねるとされます。
洗剤を選ぶなら、普段使う銘柄や香りを聞いておくと安心です。洗濯用の場合は、相手の洗濯機に合う製品かも確認しましょう。縁起のよさに加えて、実際に使ってもらえることも大切です。
高価なものではなくても、毎日の生活で使えるものにお祝いの気持ちを込める。こういう実用的なところも、韓国の引っ越し祝いらしいなと思います。
日本の友人にも、つい韓国式で
日本で友人が引っ越したときにも、私はこの贈り物を選ぶことがあります。
「何か必要なものある?」と聞いても、「本当に何もいらないよ」と言われることがあります。それでも手ぶらで新居に行くのは少し落ち着かなくて、結局、韓国にいた頃と同じようなものを選んでしまいます。
ただ、日本ではこの習慣を知らない人も多いので、何も言わずにトイレットペーパーを渡したら、「どうしてこれ?」と思われるかもしれません。
そこで私は、渡すときに「韓国では、新しい生活がうまくいくようにっていう意味で贈るんだよ」と一言添えるようにしています。
すると、「そういう意味だったんだ」と興味を持ってくれて、喜んでもらえることも多いです。
洗剤についても理由を話すと、「ただの日用品じゃないんだね」と納得してもらえることがあります。
プレゼントを渡したことがきっかけで、韓国の習慣について話が広がることもあります。こういう何気ない会話も、ちょっと面白いなと思います。
まとめ
韓国では、引っ越し祝いにトイレットペーパーや洗剤を贈る習慣があります。
トイレットペーパーには新しい生活や仕事がうまく進むように、洗剤には暮らしが豊かになるようにという願いが込められています。
日本では少し意外に見える日用品でも、その背景を知ると、韓国ならではの引っ越し祝い文化が見えてきます。
